
無垢フローリングを検討しはじめたとき、「どんな木を選べばいいの?」「節や色ムラは目立つ?」「お手入れは大変?」──そんな疑問や不安を感じる方が多いのではないでしょうか。実際に、無垢材は見た目・触り心地・メンテナンスのどれもが奥深く、選び方次第で住まいの印象が大きく変わります。
この記事では、無垢フローリング専門店キャスオンラインが「スタイル(見た目)」と「機能(使い勝手)」の両面から、無垢フローリングの選び方を5つのステップで分かりやすく解説します。読み終えるころには、あなたの暮らしにぴったりのフローリングが自然とイメージできるはずです。
それでは、次の章で全体像をざっくり20秒で整理してから、順に見ていきましょう。
20秒でわかる!無垢フローリングの選び方
-
STEP1:スタイルで絞る
─ ジャパンディ/北欧ナチュラル/ヴィンテージモダン/ホテルライクなど、空間の世界観から選ぶ。 -
STEP2:樹種を選ぶ
─ オーク・ウォールナット・メープルなど。木目の表情や硬さ、色味の違いを比較。 -
STEP3:グレードで決める
─ セレクト/ナチュラル/ラスティック。節や色ムラの“個性”をどこまで許容するか。 -
STEP4:仕上げ・塗装を選ぶ
─ オイル=質感重視/ウレタン=メンテ性重視/ 見た目+扱いやすさで判断。 -
STEP5:価格とコスパを確認
─ 樹種・グレード・塗装で価格が変動。施工費・メンテ費を含めた“暮らしに合うコスト感”を意識。
👉 迷ったら、まず「好きなスタイル」→「樹種」の順で絞り込むのがおすすめ。
最後は無料サンプルで質感と色味を手で確かめてみましょう。
無垢フローリングの基礎知識
天然木そのものの質感。木目や節の表情が一枚ごとに異なる。
まず無垢フローリングとは、一本の木から切り出した天然木100%の単層フローリングのことです。
木そのものが持つ香り・ぬくもり・経年による色の変化を楽しめるのが大きな魅力です。
無垢材は含水率や調湿性が高く、「呼吸する素材」ともいわれます。
そのため、湿度変化によって反り・伸縮が起こることもありますが、
それこそが天然木が生きている証でもあります。
無垢フローリングの特徴まとめ
- 自然素材の質感: 素足で感じる温かみと香り。
- 経年変化: 日焼けや酸化で深まる色味が魅力。
- 調湿性: 室内の湿度を緩やかに調整。
- 個体差: 木目や節の表情がひとつとして同じものがない。
- 伸縮性: 湿度変化で膨張・収縮するため、施工時の余裕が必要。
素材の特性を知っておくと、これから紹介する「スタイル」「樹種」「塗装」などの選び方も理解しやすくなります。次の章では、空間の世界観から考えるSTEP1:スタイルで絞るを見ていきましょう。
STEP1:空間のスタイルから選ぶ
無垢フローリング選びは、まず「空間の世界観」から考えるのがおすすめです。
ここでは、人気の4スタイルを順に紹介します。まずは今注目のジャパンディ(Japandi)から。
ジャパンディ(Japandi)
北欧×和モダン。オークやグレージュトーンが調和する落ち着いた空間。
ジャパンディは、北欧のミニマルデザインと日本の余白の美を融合したスタイル。
オークなどのナチュラルカラーやグレージュトーンの床材がよく似合います。
家具は直線的で素材感を活かしたものを選ぶと統一感が出ます。
おすすめの樹種・カラー
- 樹種: オーク(ナチュラル/グレージュ)・バーチ
- 塗装: マットオイル仕上げ
- カラー傾向: 明るめ〜中間色のアーストーン系
静かで温かみのある空間を目指すなら、ジャパンディスタイルの無垢フローリングは最適です。
次は、光とやわらかさを感じる北欧ナチュラルを見ていきましょう。
北欧ナチュラル(Scandinavian)
光を柔らかく取り込む明るい空間。オーク、メープルやアッシュなど淡色材が定番。
北欧ナチュラルは、やさしい光と木の白さを活かした明るい空間づくりが特徴です。
フローリングは明るいベージュ〜ライトブラウンのトーンを選ぶと、空間全体に清潔感と広がりを感じられます。
家具はホワイト・グレー・ナチュラル木目を合わせると統一感が生まれます。
おすすめの樹種・カラー
- 樹種: オーク・アッシュ(タモ)・メープル
- 塗装: オイル/ホワイトオイル/マットウレタン
- カラー傾向: 明るめ〜ナチュラルベージュ系
明るくクリーンな印象の北欧ナチュラルは、家族が集まるリビングやダイニングにぴったり。
次は、時間の経過を楽しむヴィンテージモダンスタイルを見ていきましょう。
ヴィンテージモダン(Vintage Modern)
深みのあるブラウンが印象的。ウォールナットやチークなど、経年を楽しめる色味が主役。
ヴィンテージモダンは、重厚感とぬくもりを併せ持つスタイル。
濃いめのブラウンや赤みを帯びたトーンの無垢材が似合い、照明を落とすと上質な雰囲気を演出します。
素材の経年変化を味わいたい方におすすめです。
おすすめの樹種・カラー
- 樹種: ウォールナット・チーク
- 塗装: オイル/マットウレタン/アンティークブラウン
- カラー傾向: 中〜濃色ブラウン・コーヒー系トーン
落ち着いた色味の床は、ブラックアイアン家具やレザーソファとも好相性。
次は上質感と清潔感を兼ね備えたホテルライクスタイルを見ていきましょう。
ホテルライク(Hotel Style)
上質で洗練された雰囲気。ウォールナットやダークトーンの床が空間を引き締める。
ホテルライクは、非日常の落ち着きを感じるスタイル。
深いブラウンやグレー寄りのトーンで統一すると、高級感のあるシックな空間になります。
間接照明やラグとのコーディネートで、より上質な印象に。
おすすめの樹種・カラー
- 樹種: ウォールナット・ブラックチェリー
- 塗装: マットウレタン/ダークブラウンオイル
- カラー傾向: ダークブラウン〜グレーブラウン
トーンを揃えた空間演出で、まるでホテルのような静けさと上質感を自宅に。
次の章では、素材の違いから考えるSTEP2:樹種で選ぶを見ていきましょう。
STEP3:グレードで選ぶ
グレードによって節や白太、色ムラの入り方が変わります。
無垢フローリング材は原材料を選定する段階で節や白太の有無、色味などによって選別を行います。選別基準のことをグレーディングと呼称されており、会社によってグレーディングの表記は違いますが弊社が定めているグレーディングの名称を参照しております。
| グレード | 特徴 | 印象 |
|---|
| プライムグレード | 節や白太をほとんど含まず、色ムラの少ない上質なグレード。 | 上品・モダン・ホテルライク |
| セレクトグレード | 小さな節や軽い色ムラを含む、バランスの良い人気グレード。 | 自然・ナチュラル・万能タイプ |
| ナチュラルグレード | 節や白太、色ムラを含み木の個性がよく現れる。 | 自然素材らしい温かみ |
| ラスティック/ノッティ | 大小さまざまな節・白太・色ムラを含み、ワイルドな表情。 | カジュアル・ヴィンテージ・個性派 |
グレードの違いは好み+空間との相性で決めるのがポイント。
たとえば、ホテルのように整った空間を目指すならプライム、
自然な温かみを出したいならナチュラル〜ラスティックが人気です。
STEP5:価格とコスパの考え方
無垢フローリングの価格は、樹種・グレード・規格の「3つの要素」よって大きく変わります。
「高いほど良い床」というわけではなく、暮らし方や空間に合わせてコスパを考えるのがポイントです。
① 樹種による違い
代表的な床材の樹種を価格と硬さの相関関係図
※上記チャートは同一グレードの各樹種を比較した場合のチャートになります。
但し産地やグレード、規格等により価格の幅は大きく異なります。
木の種類(樹種)によって価格は大きく変わります。
一般的に、オーク・サクラ(バーチ)などは比較的手頃で流通量が多く、
一方でウォールナット・チークなどの高級材は希少性が高く価格も上がります。
世界中で需要があり人気の樹種の価格は評価され上がり、その逆は下がります。世界的に評価の高い樹種には以下の傾向があります。
世界的に評価の高い樹種の傾向
- ・木材の加工がしやすく寸法安定性が高い樹種
- ・木目が美しく意匠的や見た目の良い樹種
- ・伐採量に対して人気や需要が高い樹種
- ・床材以外に用途が需要過多な樹種
② グレードによる違い
前章でご紹介した通り同じ樹種でも、節や色ムラの少ない上質な材ほど価格が高くなります。反対に節や色ムラが多い程同一樹種でも安価になっていく傾向となります。
「プライム」や「セレクト」と呼ばれるグレードは希少で見た目が整っており、「ナチュラル」「ラスティック」になるほど節や白太が増え、コスパの良い選択になります。見た目の好みと予算のバランスで選ぶのがポイントです。
③ 規格(ユニ/ソリッド)による違い
ユニタイプ無垢フローリング
無垢フローリングの価格を左右するもうひとつの要素が「規格」です。
市場で最も多く流通しているのは、数枚の短いピースをつなぎ合わせたユニタイプ。
無駄が少なく生産効率が高いため、コストを抑えやすいのが特徴です。
ソリッドタイプ無垢フローリング
一方で、1枚の木から切り出したソリッド(一枚もの)タイプは、
木材の歩留まりや選定コストが高くなるため、ユニよりも高価になります。
その分、継ぎ目のない高級感や天然木らしい存在感を楽しめるのが魅力です。
同じ樹種・グレードでも、ソリッド仕様はおおむねユニより1〜2割ほど価格が上がる傾向があります。
あくまで1例ですが他にも長さが異なる板が混在する企画乱尺タイプや幅(短手)方向に継いだFJLタイプなど同一の樹種であっても安価になるなど規格によってコストが上下する点を抑えて頂き、ご検討の際にこれまでご紹介した3点樹種・グレーディング・規格を抑えて頂くとさらに理解が深まるかと思います。
| 樹種 | グレード | 目安価格(m²あたり) |
|---|
| オーク(ナラ) | ラスティック/セレクト | ¥6,500〜7,500 |
| ウォールナット | ラスティック/プライム | ¥10,000〜12,000 |
| 栗(チェストナット) | セレクト/ナチュラル | ¥6,500〜7,500 |
| カバ桜 | ナチュラル/ラスティック | ¥4,000〜5,500 |
| アカシア | ラスティック/セレクト | ¥5,500〜6,500 |
※上記はあくまで一般的な目安です。実際は規格や塗装、輸入時期などによって価格が変動します。施工費やメンテナンス費も含めて、長く使えるコストパフォーマンスで考えるのが大切です。
STEP6:メンテナンス&お手入れ方法
無垢フローリングは、“使いながら育てていく床”という考え方が大切です。
汚れや小キズも時間とともに馴染み、味わいへと変わっていきます。
難しく構えず、日常の中で少しずつケアしていけば長く美しさを保てます。
普段のお手入れは乾拭きが基本。数年ごとのオイル塗り直しで風合いをキープ。
日常のお手入れ
- 基本は乾拭きや掃除機でOK。水拭きはかたく絞った布で軽く。
- 飲み物をこぼしたらすぐ拭き取ることで、シミや反りを防げます。
- 家具の下にはフェルトなどを敷いて、小キズ対策を。
オイル再塗装・補修の目安
- オイル塗装の場合は、1〜1年半に一度のよく歩行する箇所に再塗装が理想。
- 軽いキズや汚れはサンドペーパーで部分補修も可能。
- 全体を再塗装することで、艶と防汚性が蘇ります。
無垢の床は、手間をかけた分だけ愛着が深まる素材。
「汚れも味」ととらえて、暮らしの記憶とともに育てていく感覚で楽しみましょう。
STEP7:よくある質問Q&A
無垢フローリングを検討するときに、よくいただく質問をまとめました。
ご検討の際知っておくと安心できるポイントばかりです。
Q1. 無垢フローリングは床暖房に使えますか?
基本的に、無垢(単層)フローリングは床暖房には不向きです。
木が温度・湿度の変化で伸縮しやすいため、反りや割れが起きる場合があります。
床暖房対応を希望される場合は、挽板(複合)フローリングを検討するのがおすすめです。
Q2. メンテナンスはどのくらい必要ですか?
日常的には乾拭き中心で十分です。
オイル塗装の場合は1〜1年半に一度、オイルの再塗装を行うとツヤと防汚性が保てます。
小キズは部分補修が可能であり、目安として足裏がカサカサしてきたニュアンスを感じると
メンテナンスのサインです。
Q3. 節のあるフローリングは耐久性に問題ありませんか?
節の有無は見た目の違いであり、耐久性にはほとんど影響しません。
むしろ木の個性として人気があり、ナチュラルやラスティックグレードは一般的です。
木の強度はグレードではなく樹種によって決まると考えて大丈夫です。
Q4. 無垢フローリングは冬に冷たく感じませんか?
無垢材は内部に空気を多く含むため、合板よりも熱を伝えにくく、実際にはあたたかく感じやすい素材です。
特にオークやバーチなどの中硬材は足触りがやわらかく、素足でも心地よく過ごせます。
STEP8:まとめ&サンプル請求のご案内
無垢フローリングを選ぶときは、樹種・グレード・仕上げ・価格といった要素を
自分の暮らしにどうフィットさせるかが大切です。
「どれが一番良いか」ではなく、“自分にとって心地いい床”を見つけることが何よりのポイント。
この記事で紹介した選び方を参考にしながら、ぜひ一度サンプルを手に取ってみてください。
実際に触れることで、質感・色味・硬さなど、写真では伝わらない木の表情が感じられます。
無料サンプルは3点までお申し込み可能。質感の違いを比べながら選べます。
自然素材と暮らす心地よさを、あなたの空間にも。
無垢フローリング専門店キャスオンラインは無垢フローリングのある暮らしを応援しています。